交通事故で負傷した場合の通院について

通院先

交通事故で負傷した際には、まず病院で診察を受けることが基本です。整骨院(接骨院)での施術を受ける場合でも、医師の許可を得たうえで併用することが望ましいです。

通院頻度

通院の頻度は、怪我の状態や治療の進行状況に応じて異なります。一般的には週に3~4回程度が適切とされています。医師の指示に従い、適切な頻度で通院することが重要です。毎日通院する必要はなく、過剰な通院は慰謝料が減額されるリスクがあります。
また、通院頻度が少ない場合には、以下のような影響があります。

「慰謝料の減額」

通院日数が少ないと、慰謝料が減額される可能性があります。これは、適切な頻度で通院していれば症状が早期に回復し、短期間で治療が終了したと見なされるためです。

「一括対応の打ち切り」

通院日数が少ないと、保険会社による一括対応(治療費の支払いなど)が早期に打ち切られる可能性があります。これは、受傷箇所が軽傷と判断されたり、事故との因果関係が疑われるためです。

「後遺障害認定への影響」

通院日数が少ないと、後遺障害認定を受けにくくなることがあります。十分な通院記録がないと、後遺症の存在やその程度を証明することが難しくなるからです。

これらの影響を避けるためには、主治医の指示に従い適切な頻度で通院することが重要です。

通院期間

通院期間は、怪我が完治するか、医師によって症状固定と判断されるまで続ける必要があります。自己判断で通院を終えると、適正な賠償金を受け取れない可能性があります。
適切な通院頻度と期間を守ることで、正当な慰謝料を受け取ることができます。
通院期間が長い場合、以下のような効果があります。
「慰謝料の増額」
通院期間が長いと、慰謝料が増額される可能性があります。特に弁護士基準では、通院期間が長ければ長いほど慰謝料は増加します。

「必要性の確認」

ただし、医学的に必要な場合に限ります。不必要に通院期間を延ばすと、裁判で通院期間を短縮され、慰謝料が減額されるリスクがあります。

「保険会社の対応」

通院期間が不自然に長いと、保険会社が治療費の一括対応を打ち切る可能性もあります。
適切な治療計画に基づいて通院することが重要です。

通院日数と慰謝料の計算方法

「自賠責保険基準」

自賠責保険基準では、慰謝料は以下の計算式で算出されます
• 対象日数 × 4,300円
ここで対象日数は、以下のいずれか少ない方です:
1. 通院期間の合計日数
2. 実際に通院した日数の2倍。
例えば、通院期間が90日で実通院日数が45日の場合、対象日数は90日となり、慰謝料は38万7,000円になります。

「弁護士基準」

弁護士基準では、通院期間が長ければ長いほど慰謝料が増額される傾向があります。具体的な金額は「入通院慰謝料算定表」に基づいて計算されます。

「任意保険基準値」

任意保険基準は、自賠責基準をベースにしつつ、保険会社ごとに異なる場合があります。一般的には自賠責基準と同様に計算されることが多いです。

これらの基準を理解し、適切な通院を行うことで、正当な慰謝料を受け取ることができます。