交通事故の過失割合について

過失割合は事故における各当事者の責任を数値で示したものです。これは、損害賠償額に直接影響を与える重要な要素です。

「過失割合の決定方法」

基本過失割合は、過去の裁判例を基に類似した事故の事例から決められます。これに基づき、具体的な事故状況に応じて修正が加えられます。
• 事故状況の確認: 事故現場の道路形態や信号の有無、一時停止標識などを確認します。
• 過去の判例参照: 類似した過去の裁判例を基準に基本過失割合を選定します。
• 修正要素の考慮: 速度超過や進路変更時の合図なしなど、個別の事情を考慮し、基本割合に修正を加えます。

「具体的な過失割合」

事故のタイプによって基本過失割合は異なります。
• 交差点での直進車同士の事故: 信号機がある場合や一方通行違反の場合など、状況に応じて変わります。
• 追突事故: 停車中の車への追突では通常「100:0」が基本ですが、停車方法が不適切なら修正が入ります。

「過失相殺」

双方に過失がある場合、被害者にも責任が認められると損害賠償額が減額される「過失相殺」が行われます。
このように、交通事故の過失割合は多くの要因を考慮して決定されるため、保険会社や専門家との相談が重要です。

過失割合が100%になる事故の具体例

以下のようなケースが考えられます。
1. 後ろからの追突事故: 一般的に、前方車両が急停止するなどの特別な事情がない限り、追突した側の過失が100%とされます。
2. 信号無視の事故: 赤信号を無視して交差点に進入した車両が他の車両と衝突した場合、信号無視した側の過失が100%になることが多いです。
3. センターラインオーバーの事故: 一方の車両がセンターラインを越えて対向車線に飛び出し、対向車と衝突した場合、センターラインを越えた側の過失が100%となります。
4. 横断歩道を歩行中の事故: 横断歩道上で歩行者と接触した場合、通常は車両側の過失が100%とされます。ただし、歩行者が信号無視をしていた場合などは例外があります。

これらのケースでは、被害者には過失がないとされるため、加害者側が全額賠償することになります。

過失割合が50/50になる事故の具体例

以下のようなケースが考えられます。
1. 信号のない交差点での出会い頭の衝突: 双方が同時に交差点に進入し、どちらにも明確な優先権がない場合、過失割合が50/50になることがあります。この場合、両者が互いに注意義務を怠ったと判断されることが多いです。
2. 駐車場内での車両同士の接触事故: 駐車場内で双方がバックしている最中に接触した場合など、どちらにも等しい注意義務違反が認められる状況です。

これらのケースでは、双方に同程度の責任があるとされるため、過失割合が50/50とされます。